R6.12「文書質問改正案」について
香芝市議会では、議員が「文書質問」を通じて市に質問する仕組みがありますが、令和6年12月定例会において、、そのルールを見直す改正案が出されました。この改正案では、議会が閉会している間に文書質問ができる回数を 「1回・1問」 に制限するという内容です。報道などで驚かれた方からのご連絡もいただいていますが、これについて、背景や論点について、整理したいと思います。
#なぜ改正案が提案されたのか
議員の質問に答えるのは市職員の仕事ですが、現状では質問の回数に制限がなく、対応に追われて職員の通常業務や生活が圧迫されるケースが増えているということです。
#職員アンケート *参考資料参照
職員アンケートには、次のような意見があります。
・「文書質問への回答が優先されるため、定例業務が逼迫したり、時間外勤務を余儀なくされたりする。 」(24件)
・「一般質問等で質問することができるのに、あえて文書質問で質問する必要がないと思われるものが多いと感じる。」(5件)
・「他者を貶めるような文書質問への対応に際し、心身が疲弊し、仕事に対するモチベーションの維持ができないことがある。」(1件)
こうした背景から、職員を守るために改正の提案がありました。
#職員アンケート所感 *参考資料参照
・「一般質問等で質問することができるのに、あえて文書質問で質問する必要がないと思われるものが多いと感じる。」
このようなご意見があることを鑑みると、質問する側の議員一人一人の『議員の質問が与える影響力の大きさの自覚』と、『自身の質問が文書質問に値するものかどうかの熟考や判断が甘いのではないか』ということも考えさせられます。
・「他者を貶めるような文書質問への対応に際し、心身が疲弊し、仕事に対するモチベーションの維持ができないことがある。」
との悲痛なご意見があることは、議員の一人として大変心苦しく申し訳なく思っています。
【参考資料】
○新旧対照表
https://www.city.kashiba.lg.jp/uploaded/attachment/23892.pdf
○職員アンケート結果
https://www.city.kashiba.lg.jp/uploaded/attachment/23893.pdf
#議員から見た問題点
一方で、議員としての視点では次の疑問点が出てきます。
・「議員の活動を制限する内容に違和感がある」
・「なぜ議員側からではなく、執行部(市側)から提案されるのか」
・「質問回数を1回1問にするのは制限が厳しすぎないか」
文書質問のルールは、議員一人ひとりの良識や判断に任されてきましたが、今後はそのあり方を見直す必要があると考えます。
#文書質問の利用状況
これまでの文書質問の利用回数を調べると、議員によって大きな差があります。
•0回:9名
•1回~3回:5名
•5回以上:3名(最高25回)
一部の議員が頻繁に利用している一方で、まったく使わない議員もいます。議員それぞれのスタンスや考え方に差があることがわかります。
#文書質問の内容の精査について
文書質問の内容として、何が適正かの判断は非常に難しいところです。議員一人一人の判断に委ねられるものですが、議員からは議長を通しますので少なくとも議長のフィルターがかかります。議長ご本人は、ご自身のご判断によることになるかと思います。いずれにせよ、議員一人一人の良識や能力に委ねられているものとなります。
#これからの課題
今回の改正案は、議員の活動と職員の負担をどうバランスさせるかを考えるきっかけでもあります。議員には、「質問することの影響」をよく考え、質問の内容を慎重に精査することが求められます。この改正案の条件の妥当性、手続きの妥当性については、十分な議論が必要です。また、議会内の改革を進めるための「議会改革推進委員会」が令和4年以降開かれていない現状も課題です。この機会に、議員としての自覚や責任を再確認し、香芝市議会がより円滑に機能するよう議論を深める必要があると考えます。
#まとめ
この改正案は一見、議員の活動を制限するようにも見えますが、職員の働きやすさを考えると完全には否定できません。議員の質問権を尊重しつつ、職員の負担を減らす最適なルールを見つけることが求められています。今回、眞鍋は残念ながら、付託されている総務建設委員ではないので、本議論に直接入れませんが、今回の議論が、香芝市議会の改善につながることをおおいに期待しています。
まなべあき🎗️
香芝市議会基本条例(R3.6.1施行)
https://krk411.legal-square.com/HAS.../jsp/SVDocumentView
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