まなべの考え

2024.1

 まなべは、「さまざまな環境で育つすべての子どもたちが、いつでも、どこにいても、周りの人から大事にされて健全に育つ社会」を目指しています。子どもたちが育つ環境や子育て環境をなんとかよくしたいと、2014年から香芝市で活動を続けてきました。目まぐるしく変わる社会情勢のしわ寄せは子どもたちに向かい、子どもにまつわる課題の多くは社会が生み出したものです。大人たちがしっかりと子どもが健やかに育つ環境を守っていかなければなりません。


 そのためには、正しい現状把握と、解決に向けた新しい視点や柔軟な発想が必要となります。たとえば、行政の取り組みだけでなく、民間や地域社会全体の力を十分に活かしていく体制づくりや、ひとつの自治体だけでなく、広域で連携し、支え合い、ともにこどもたちを育てていく共通認識と仕組みづくりが求められます。いまを生きる子どもたちが、子ども時代に十分に愛情を注がれ、のびのびと笑顔のなかで育っていけるよう、包括的な支援体制の構築にむけて、引き続き取り組んでまいります。


「こどもどまんなか社会」は、こどもたちの成長と幸福が、社会全体の安定と活力に寄与する未来を築くことが期待され、全世代にとってより良い社会環境を提供し、社会全体の質的向上を促進します。お互いを思いやる文化を醸成し、「優しい社会」の実現に必要な観念です。

01

笑顔で子育てできるまち「こどもどまんなか社会」とは

 2023年4月にこども家庭庁が発足し、同時にこども基本法が施行されました。こども家庭庁が謳う「こどもまんなか社会」とは子どもの利益を最優先に考え、子どもや若者の視点に立った政策を推進する社会のことを指します。この社会的な機運に乗って、多くの方が「こどもまんなか社会」を声高に訴えるようになったことはとても嬉しいことです。しかしながら、まなべの熱い想いはそれだけでは全く足らず、「こどもまんなか」に「ど」をつけて、「こどもどまんなか社会」の実現を目指し、力強く推し進めています。「ど」にこめられた本気をぜひ感じてください。

「こどもどまんなか社会」がなぜ必要か

 子どもを取り巻く環境は、少子化、核家族化、デジタル化、グローバル化、価値観の多様化など、現代の社会的背景によって大きく変化しています。さらに近年では、子どもの不登校や自殺、虐待、いじめ、自己肯定感の低下、さらには子どもの貧困は増加傾向にあり、これらの複雑な問題に対処するためには、親だけでなく、社会全体で包括的に子どもを支える取り組みが必要となっています。



「こどもどまんなか社会」の目指す社会

1.子どもの健全な成長

子どもたちが安心して成長できる環境が整備されることで、心身ともに健全な成長を促し、ひとりひとりの人生を豊かにし、将来の社会を担う人材が育成されます。

2.社会全体の幸福度向上、持続可能な社会の実現

子どもの幸せは、家族や地域社会にもポジティブな影響を与え、全世代が生き生きと暮らせる社会が期待されます。また、将来の社会を担う人材が育成されることで、持続可能な社会の基盤が強化され、長期的な社会の安定と発展が期待できます。

3.世代間交流、高齢者との共生促進

子どもを中心としたコミュニティづくりは、高齢者の知識や経験を活かす機会を提供し、世代間交流が活発化します。これにより、他の世代や高齢者の社会参加が促進され、生きがいの向上につながります。

4.社会意識の変革

子どもの権利や福祉を最優先に考える風潮が広がることで、他者への思いやりや共感の文化が醸成されます。これにより、社会全体の人間関係がより良好になります。



これらの影響を通じて、「こどもどまんなか社会」は、こどもたちの成長と幸福が、社会全体の安定と活力に寄与する未来を築くことが期待され、全世代にとってより良い社会環境を提供し、社会全体の質的向上を促進します。あたたかい、優しい社会の実現に必要な観念です。

「笑顔で子育てできるまち」になるには

香芝市では結婚や戸建て購入を期に本市に転入する子育て世帯も多く、血縁や地域との繋がりがないなかでの出産となり、孤立しやすい状況があります。そうならないための行政の取組みや地域での支えと子育て世帯がどうやって繋がっていくかが重要となります。

まずは、できるところから取り組み、子育てしやすいまちに近づけます。たとえば、


1. 子育て応援アプリ・SNSを活用し、情報提供を強化

妊娠届を出したタイミングで「子育て応援アプリ」の活用を推奨し、転入世帯向けの情報をピックアップ表示

妊娠届提出時、もしくは母子健康手帳交付時に、地域の子育て支援情報を直接説明する場を提供


2.地域の子育てサポーター制度やLINEグループで、転入者のつながりを促進

自治会や子育て支援センターと連携し、地域ごとのLINEグループを開設

市のInstagramや子育てアプリで、各地区の「子育てサポーター」を紹介


3.「つどいのひろば」「ベビーマッサージ」など既存の取り組みを拡充し、交流機会を増やす

「つどいのひろば」に、地域の子育て経験者が定期的に参加し、転入者をサポートする仕組み

「ベビーマッサージ」や「離乳食講座」終了後に、自由交流時間を設ける


4. 病児保育・ファミリーサポートの利便性を向上させ、働く親も安心できる環境づくり

病児保育の申し込み・空き状況をアプリ上で確認できるようにする

ファミリーサポートセンターの登録促進キャンペーンを実施し、利用者・支援者を増やす


5.地域全体で子育てを支援する仕組み(子育て応援店・見守り隊)を導入し、文化を醸成

市内の飲食店や施設に「子育て応援ステッカー」を配布し、子連れ歓迎の場所を増やす

既存の公園に遊具、環境整備、雨の日でも遊べる「室内プレイエリア」の整備

「子育て応援アプリ」に、親子で遊べるスポット情報をマップ付きで掲載


これらの具体的な取組をひとつでも進めることで、子育ての孤立を防ぎ、また働く子育て世帯を地域で支えていくことができます。こどもが健全に育つ環境を支えることは、全世代にとってより良い社会環境を提供し、まちを明るく元気にします。

「笑顔で子育てできるまち」を実現しましょう。

02

誰も孤立させない思いやりのあるまち

誰もが暮らしやすいまちを実現するためには、一人ひとりの「思いやり」と、それを支える「まちの仕組み」が両輪となって動くことが不可欠です。この両方がかみ合ったとき、誰もが安心して自分らしく生活できるまちが生まれます。

1.思いやりは、暮らしの土台を支える力

思いやりとは、小さな優しさの積み重ねです。困っている人に声をかける、道に迷う人に手を差し伸べる、当たり前の行動が人と人とをつなぎ、地域を温かくします。しかし、その思いやりは時として「きっかけ」がないと動き出しません。だからこそ、思いやりを引き出す環境づくりが必要です。


例えば、先日の交差点での出来事です。視覚障がいを持つ方が音声信号のない横断歩道で、信号が変わったことに気づいていない場面に遭遇しました。すぐさま、サポートさせていただきました。いくらハード面を整えても限界があり、最後に必要となるのは、そばにいる人の親切心や思いやりのある行動です。こうした行動を自然に引き出すのは、まち全体の雰囲気です。「助け合うのが当たり前」と感じられる地域は、一人ひとりが安心して暮らせる優しいまちになります。


2.仕組みが整えば、優しさが広がる

しかし、思いやりの心だけでは全てを支えることはできません。思いやりを引き出し、それを支える仕組みが必要です。たとえば、


・物理的な環境整備

道路や駅など、物理的な環境整備がまだ行き届いていないところの整備を積極的に推進し、小さなこどもから高齢者、障がいのある方、誰もが安全に生活し、安心して活動できるようにします。

介護現場の運用サポートの充実を図り、人材育成、補助制度導入、連携強化を後押しします。


・情報提供と啓発

「どう声をかけたらいいのかわからない」「どのように助けるのが適切かわからない」という声も多く聞かれます。そのため、学校教育や地域活動を通じて、思いやりの具体的な行動を学べる機会が重要です。まずは知ること、これについて行政が果たすべき役割は大きいものです。思いやりの心を広げる活動を支援し、住民が自然に助け合える環境を整えることを求めていきます。


・すべての人が「当事者」として考える社会へ

思いやりのまちは、特定の人だけがつくるものではありません。障がい者も高齢者も、子どもも若者も、全ての人が「自分もまちの一員」として参加する意識を持つことが必要です。そして、それぞれの立場でできることを考え、小さな行動を積み重ねる。それが、未来を変える大きな力になり、住んでて嬉しいまちをつくります。

03

文化・伝統を守り&つくるまちづくり

香芝市でこれから事業が進められる予定の複合施設(ホール)、スポーツ公園、総合公園の整備。この新しいまちづくりは、私たちにとって「文化」を見つめ直し、守りながら、次世代へ新しい形でつなげていく大切なチャンスです。文化を守り、そしてつくる。この二つをどう調和させるかが、香芝の未来を決める鍵になります。

1.文化を守る~地域の誇りを未来に引き継ぐ~

文化や伝統は、その地域に生きる人々の歴史そのものです。お祭り、伝統工芸、地元の食文化など、香芝には長い年月をかけて培われてきた「宝物」がたくさんあります。これを守ることは、単に過去を懐かしむだけではありません。


「地域の誇りを未来に引き継ぐ」という責任を果たす

守らなければ消えてしまうもの、例えば祭りの技や工芸品づくり。これらを次世代に伝える取り組みは、子どもたちが「香芝に住んでいることを誇りに思えるまち」をつくる基盤です。例えば、新しいホールや複合施設にもその視点を活用できれば、文化を守る場が日常に溶け込みます。



2.文化をつくる~新しい価値を未来へつなぐ~

一方で、文化は「変化」し、「進化」するものでもあります。伝統を守るだけでは、若い世代や外から来た人々にとって魅力を感じてもらえないかもしれません。だからこそ、地域の個性を大事にしながらも、新しい文化をつくり出す挑戦が必要です。

これから本市では、複合施設/ホール、スポーツ公園、総合公園、 駅前広場等の整備計画が進む予定です。新しい時代にあった「繋がる場づくり」「人づくり」「体づくり」ができる場を創出していきましょう。


3.守る文化×つくる文化

香芝市がこれから取り組むまちづくりは、「守る文化」と「つくる文化」を融合させる場として考えるべきです。この二つを対立するものではなく、相互に支え合うものとして捉えることで、香芝の文化的な基盤が強化され、未来に向けた持続可能なまちづくりが実現します。

家庭においても伝統を話題にしたり、地域イベントに参加したりすることで、文化を「日常の一部」として子どもたちに自然に伝えることができます。また、地域の魅力や資源を再発見し、新しい文化をつくる取り組みに興味を持ち、一歩踏み出すことで、まちの未来を支える力になります。市民の皆様とともに「文化を守り、文化をつくる」行動をすることで、次世代に豊かなまちを引き継ぎ、このまちの未来を形づくることができます。


💛


2021.3

「ママ」を元気にすることで、子どもが元気になり、パパも元気になり、おじいちゃんおばあちゃんも元気になる。誰も孤立させない社会にしたいからこそ、スタート地点を明確に宣言します。私がこれまで一番力を注いできた領域からまず進めていきたい。

「ママ」が元気になって、成長すれば、社会の循環はもっとよくなるという確信があります。子育て教育だけを推進するということではなく、循環のスタート地点を子育て教育に設定している、ということです。

大きな観点から、目の前の行動にという視点をとても大切にしています。2021.1 子育て教育メディア「かしまま」をスタート。まずはここから、新しい循環を作っていきます。

「改革」は叫ばれ続けているのに変わった実感は持てない。まずは整理整頓。

01

目新しい制度を導入する、だけが改革ではありません。

「作ったのに機能していないもの」をまずはどうにかしましょう。

例えば、子育て関連だけでみても、やれることはたくさん挙げられます。

●産前産後ケアの充実

➡ 令和3年6月定例会・一般質問では「産後ケアについて、今後令和6年度内の実施に向け進めていく」との答弁がありました。その計画を少しでも早めることができるよう働きかけていきます。


➡ 当初の予定より、2年前倒しされて、令和4年度より産後ケア事業が始まりました。


●ファミリーサポートセンター事業運用改善

➡ 令和3年6月定例会・一般質問では「ファミリーサポートセンター事業の運用について、内容の充実や周知活動を進めていく」との答弁がありました。今後もさらに充実が図られるよう働きかけていきます。


●児童発達支援現制度の運用改善

➡ 現在、かしままプラスで毎月8日「発達しょうがいのおはなしと相談会」を実施。当事者のニーズを更新しながら、行政サービスとのズレの解消に働きかけていきます。


●わかりにくい情報発信の改善

➡ 令和3年9月定例会において、香芝市議会・委員会のライブ配信が決定しました。

➡ 個人の活動報告においても、平日毎日駅頭、定例会毎の報告書の発行(年4回)、定例会毎の議会報告会の実施(年4回)、毎月のオンライン懇談会開催中、日々のSNS、動画、チラシ等で分かりやすく発信中!


02

人も制度も整理してから、次にやっと、新しいことへ。

「計画」「継続」「忍耐」で、改革を実施していきます。

●教師・保育士の質の向上と待遇改善の両方を

➡ 令和3年12月定例会・一般質問では「学校司書について、(現在、増員の予定はないが)十分に相談はしていく」との答弁がありました。学校司書の配置が図書環境改善のみに留まらないことも視野に入れ、抜本的な体制の見直しや職場環境改善について働きかけていきます。

➡ 令和6年度より、学校司書1名の配置を実施

●場当たり的でない、意味深い「産」「官」「学」連携模索

●民間との積極的な、意見交換や情報提供の場の模索

●世代間交流を積極活用した「孤立させない」コミュニティの模索


03

コロナ社会に向けての考え方

不安を取り払うリーダシップと行動を。

●漠然とした不安を解消するための情報発信

●場当たり的でない、長期的視点に立った行動の見極め

●緊急対応が必要な時に、リーダーシップを発揮してリードしていきます

●生活の変化に対応し、市民感情に寄り添う、行政システムのあり方の模索と改善

04

「新循環」を起こすソフトなインフラ

「人の成長」が「まちの成長」

実は、多くのママたちは非常に限定的な範囲で暮らしています。ママたちのものすごいバイタリティは、まだまだ有効活用されず、眠っています。これを開放してプラスの循環に使うことができれば、もっと町全体が活気にあふれ、子どもたちものびのびと過ごしていくことができるでしょう。「男女共同参画社会」とよく言われますが、これを深く考えると、こうなります。男性と女性、性の差は体や脳の構造の違いも示しています。それぞれの特徴を認め合いながら、それらを最大限に活かす。つまり、いい平等、いい共生社会です。新循環は、お互いの特徴(性別、年齢差、個々の特性)を認め合い、適材適所することから始まります。

●どういう循環か。

まなべの考えは、かしままの6要素に詰まっています。

「良質な情報交流」→「時間の余裕」→「働き・学びの機会の創出」→「ママの社会経験、経済感覚の成長」→「家族の時間効率向上」「ママとパパの関係性向上」「こどもの教育の質の向上」→「市民レベルや市民感覚の向上」→「閉鎖社会から共生協力コミュニティへの発展」「世代間交流の活発化」→「まち全体を成長スパイラルへ」

●ママの経済感覚!

20円安いティッシュを求めて20分かけて別のスーパーへ行ったり、参加費数百円のイベントを高く感じたり、1000円のランチに行くときにパパに引け目を感じたり、というようなことが、ママの世界では、日常茶飯事で起こっているんです。

時間効率が実はものすごく悪いことをママたちは結構しています。でも、例えば、「ママがちょっと働く」が実現できると、家庭内においてのママの経済感覚と社会経験が養われ、子育てなどを介しての、家族全体のレベルアップにつながります。

●パパの理解も必要

ママが経済感覚をアップさせることができると、時間効率が上がるので、ゆとりが生まれ、精神的に豊かになれます。パパも「ママの経済感覚、社会経験を向上させるメリット」を理解しておく必要があります。閉じ込めていたら、育たないのです。

●そのために必要なインフラを整えました。

「わっはっは保育園」「子育て教育メディア、コミュニティ かしまま」を自ら立上げ、活動している理由は、このためです。ママたちのポテンシャルをもっと引き上げ、新循環に入れるところから、町をもっとよくしていこう、ということです。

●プラス、行政の内部からの改善

これらの活動で、どうしても障壁になってくるのが、行政側の理解です。実態はどうなっているのか、リアルな声が行政に届いていません。聞く仕組み、余裕がありません。これは、形骸化したシステム、旧態依然とした慣習がまだまだ残っているため、新しいものを本当に受け入れる余白がないからです。民間と行政の新陳代謝。これらを同時に進めていかなければ、まちは変わっていきません!それぞれができることを最大限に活かせる交流を起こしていきます!

Aki Manabe

数年間は、「すでにあるのにうまく機能していない」への着手に費やすことになると思います。綺麗な下地作り、それから「計画」「継続」「忍耐」での改革。そして、「ワクワク!楽しく!」をモットーに!大人が子どもたちにいつも言う、「言ったことはまもる」「ちゃんと話を聞く」「間違えたら謝る」がベースにあれば、純粋に未来にワクワクできるんです。「愛情ある大人」の普通。仕事、責任、多忙、将来への不安という重圧で、根本的なことを忘れかけている人たちにどんどん投げかけていきます。そんな大人に囲まれていれば、子どもは、きっと心豊かに、幸せを感じながら育っていけると思います。